CentOS7.5 に Moodle3.5.1+ をインストールする(まずは知ることから編)

崇道です.今回は CentOS 7.5 に Moodle 3.5.1+ をインストールしたいと思います.

Moodle をインストールするには色々な準備が必要です.
この記事では,Moodle をセットアップするのに必要な知識や背景について触れていきます.

はじめに

タイトルにもある通り CentOS7.5 に Moodle をインストールしていくので,その前提の確認をしたいと思います.
また,Moodle をインストールにはいくつかの条件があります.
軽くでも触れておかないとインストールしたときに躓きやすいので,順番に確認していきましょう.

この記事のターゲット

この記事のターゲットは次の通りです.

  • 何も知らないけど Moodle をインストールしたい人
  • 急に Moodle をセットアップしろと言われて困っている人
  • Moodle のインストール要件(サーバ周り)について知りたい人
  • Moodle3.5 で必要な PHP の環境について知りたい人
  • Moodle がサポートしているデータベースについて知りたい人

この記事の前提(環境)

「CentOS7.5 に Moodle3.5.1+ をインストールする」というタイトルにもある通り,CentOS7 に Moodle をインストールしていきます.
なので,

  • CentOS 7.5.1804 (Minimal インストール)

という環境を用意しました.
CentOS7 のインストールについては,
https://eng-entrance.com/linux-centos-install
で詳しく解説されている(画像つき!)ので参考にしてみてください.

Moodle をインストールするための要件

Moodle をインストールするための要件(このくらいは必要だよっていうもの)がしっかりと定められているので,確認しておきましょう.

ディスク容量
  • Moodle のコードのみで 200MB が必要(最低条件)
  • コンテンツ(教材など)を保存するのに必要な容量が別に必要
  • 現実的には最低 5GB は必要(らしい!)
プロセッサ
  • 最低でも 1GHz
  • 2GHz 以上が推奨
メモリ
  • 最低でも 512MB
  • 1GB 以上が推奨
PHP 周り
  • 7.0.0 以上のバージョンが必要
  • 国際化用拡張モジュール(Intl)が必要
データベース周り(いずれか)
  • PostgreSQL
    :9.3 以上
  • MySQL
    :5.5.31 以上
  • MariaDB
    :5.5.31 以上
  • Microsoft SQL Server
    :2008 以降
  • Oracle Database
    :10.2 以上

となっています.

特に大事なところはマーカで示しましたが,それぞれ記事の中で説明していきたいと思います.

ハードウェアについて

Moodle をインストールするサーバのハードウェアについて,触れていきたいと思います.
あくまでも噛み砕いて説明していくので,詳しく知りたいときは

を参考にしてください.

ディスクの容量

Moodle をインストールするときにはソースコード一式をサーバに保存しておく必要があるのですが,これらのコードを保存しておくだけでも 200MB が必要のようです.
つまり,どんなに最低限の環境を用意するにしても 200MB は必要ということです.

しかし,ディスク容量を考えるときに無視できないものも多くあります.
例えば,

  • 教材としてアップロードしたPDFファイル
  • 生徒・学生から提出させたレポート(Wordファイル)
  • 復習用に配布した動画コンテンツ

というような,講義の過程で必要になってくるファイルたちの存在です.
これらの容量は構築する Moodle の規模にもよりますが,大規模であればあるほど増えることは間違いないでしょう.
なので,現実的には少なくとも 5GB は必要であると言われています.

プロセッサ

プロセッサについてですが,最小でも 1GHz,推奨は 2GHz デュアルコア以上となっています.
これも環境によっては左右することになるかと思います.

メモリ

メモリは最低でも 512MB は必要で,1GB 以上が推奨となっています.
ただし,サーバへの同時接続数によっては 1GB では足りないことも考えられるので注意が必要です.
それなりの規模な本番サーバになると 4GB や 8GB を用意しておくケースもあるようです.

ソフトウェアについて

ハードウェアの次はソフトウェアについて触れていきたいと思います.
こちらも噛み砕いて説明していくので,詳しく知りたいときは

を参考にしてください.

PHPのバージョン

PHP には様々なバージョンがあります.
例えば PHP5.6.x や PHP7.0.x という表記を見かけたことはありませんか?
これらの数字は PHP のバージョンを表していて,少しずつ違う言語になっています(一部の互換性がない).

ちなみに,

には PHP のバージョン別のシェアが載っているのですが,PHP5 が 80.9% 以上で他を圧倒していました(執筆時点).
次点で PHP7 が 18.4% なので,おおよそは PHP5 と PHP7 で占めていることになります.

そして,今回のように Moodle3.5 で使用する場合には PHP7.0.0 以上のバージョンで環境を整備しなければなりません.
Moodle3.4 から PHP7.0.0 が最小要件になったので注意が必要です.

Moodle における PHP7 の対応状況については,詳しくは

をご確認ください.

PHP の拡張モジュール Intl

Moodle3.4 から PHP の国際化用拡張モジュール Intl が必須となったので注意が必要です.
(Moodle2.0 の時代から推奨はされるようになっていたのですが,あくまでも推奨でした.)

データベースについて

データベース(DB)には色々な種類がありますが,Moodle3.5 がサポートしているのは次の通りです.

データベース最小バージョン推奨
PostgreSQL9.3最新
MySQL5.5.31最新
MariaDB5.5.31最新
Microsoft SQL Server2008最新
Oracle Database10.2最新

ご覧のように色々と選択肢はありますが,CentOS7.5 にインストールすることを考えているので,MariaDB を採用したいと思います.
わたし的には MySQL の方が(あくまでも自分の中で)有名だったのですが,CentOS7 より標準のDBが MariaDB に切り替えられたようなので MariaDB で進めたいと思います.

まとめ

最後に,この記事で触れた大事なことをまとめます.

  • 必要なディスク容量は教材の量によって変わってくる
    • 現実的には 5GB は必要になりそう
  • プロセッサは最低でも 1GHz が必要
    • 2GHz デュアルコア以上が推奨
  • メモリは最低でも 512MB が必要
    • 同時接続数によって左右される
    • 1GB 以上が推奨
  • PHP7.0.0 以上が必要
    • Moodle3.4 から PHP5.6 が対象外になった
  • データベースも用意しなければならない
    • 色々あるけど CentOS7 標準DBの MariaDB を採用

以上,Moodle のインストールに必要な知識たちでした.